【ゴア産マンゴー】ゴア人が愛するマンゴーは「不味そうな色」?

Goa食

ゴアの夏は美味しい香りに包まれる

ゴアの乾季はだいたい10月〜翌年6月まで。
そのうち、4月〜5月は一年で最も暑い時期で、気温35度前後・湿度80%の蒸し暑い日々が続きます。

私が住んでいる場所は、ビーチが近く海風もあり緑が生い茂っている地域なので、自然の少ない街中と比べるとまだマシな方かもしれません。

ただ、我が家はリビングルームにエアコンがありません。
シーリングファンを全開にしても、扇風機を増備しても、ただ熱い空気をかき混ぜているにすぎないのです。

少しでも涼を求めて、インドの家でおなじみの、ひんやりとした白い大理石調のタイル床に寝そべるものの、ゴアの夏──特に昼下がりから日没まで──は本当に耐え難い……

太陽の照りつけ感がヤベぇ_ ☼⎝˟⌓°꒷꒦⎞

しかし、そんな心が折れそうな猛暑を「悪くない」と思わせてくれる、夏だからこそのギフトがあります。それが、いま旬を迎えているマンゴーです。

この季節、ローカルマーケットや地元の野菜屋さん、フルーツ屋さんの店頭には、さまざまな品種のマンゴーが山のように積まれ、魅力的な香りを放っています。

ゴア人が愛するマンゴーとは?

インドは世界最大のマンゴー生産国。※参照:FAO MANGO Post-harvest Operations
産地や品種によってその顔ぶれは様変わりし、味、香り、見た目のすべてが個性豊かなマンゴーの世界。地域限定の在来種まで含めると1,000種類以上の品種が存在するといわれています。

そしてその代表格といえば「King of Mangoes(マンゴーの王様)」と呼ばれる「アルフォンソ」。
特にマハラーシュトラ州産が有名で、現地のマラティー語でハープス(Hapus) とも呼ばれています。

しかし、そんな絶対的な王者がかすんでしまうほど、ここゴアの人々が盲目的に愛してやまない品種があります。
それが「マンクラッド── Mankurad / Mancurado」です。


“When you have a Mancurad, why would you need a Hapus, Bhishma, or a Manga Hilario?
That’s the common sentiment in Goa.”

マンクラッドがあるのに、
どうして他のマンゴーが必要なんだ? 
これが、ゴアの人々の本音です。

引用元:現地紙『O Heraldo』より

……と現地紙にもあるくらい圧倒的な存在なんです。

「不味そうな色」はゴアで一番人気

マンクラッドという名前の由来は、16世紀にゴアへやってきたポルトガル人にさかのぼります。彼らはこのマンゴーを「Malcorado(マルコラード)」と呼びました。

ポルトガル語で「Mal(悪い)」と「Corado(色づいた)」を組み合わせた言葉で、「色の悪いマンゴー」「不味そうな色のマンゴー」という意味です。

王様と称されるアルフォンソ種などは、熟すと鮮やかなオレンジや赤みを帯びます。
一方、マンクラッドは完熟しても、緑がかった落ち着いた黄色のままで、見た目は地味です。ポルトガル人はその「控えめな外見」だけを見て、「色づきの悪い、大したことのないマンゴーだ」と過小評価しました。

しかし、実際に食べてみると、見た目からは想像もできないほど美味しかったため、ゴアの人々はこのマンゴーを大切に育て続けました。

時を経て、ポルトガル語の「Malcorado(マルコラード)」が、ゴア州の言語であるコンカニ語の発音へと溶け込み、やがて「Mankurad aamo(マンクラッド・アーモ)」と、いまやゴアの夏を象徴する愛称となったのです。

マンクラッドの特徴

マンクラッドマンゴーは超甘い (*´༥`*)

マンゴーが甘いのは当たり前ですが、その濃厚な甘さの中に絶妙なバランスで酸味が感じられるのが、モンクラッドの特徴です。

マンクラッドは小ぶりな卵型ですが、中の種が他の品種に比べて薄くて小さいです。そのため、果肉がぎっしりと詰まっています。

繊維が少なく、トゥルンとした果肉はみずみずしくて、口の中にいれると溶けちゃう感じです。本当に、一口食べたらもっともっとと、止まらなくなる……(*´﹃`*)

見た目は名前の由来通り、鮮やかさには欠けますが、ひとたびマンクラッドを手にとり鼻に近づけると、柑橘系を思わせる爽やかな香りとハチミツのような濃厚な香りが食欲をそそります。これなら、「King of Mangoes(マンゴーの王様)」と称されるアルフォンソを差し置いて、地元で「King of Goan Mangoes(ゴアのマンゴーの王様)」と呼ばれるのも納得です。

なぜマンクラッドは特別なのか

マンクラッドが特別視されている理由。それは単に味の良さだけではありません。

①独自の流通のあり方
②ゴアの人々にとっての思い出と愛着

この2つが、マンクラッドをゴアで唯一無二の存在にしているのです。

流通

まず、1つ目の理由は「流通」です。

マンクラッドは果肉が柔らかく傷みやすく、長距離輸送にはあまり向いていません。そのため、他の州や海外へ流通する量は限られており、一部がムンバイなど近隣都市へ出荷されるにとどまります。

市場に出回る多くは、ゴア州内で消費されており、いわば「ローカル消費型」のマンゴーです。

さらに、外見は熟しても緑色が残ることがあり、見た目だけで食べ頃を判断するのが難しい品種でもあります。こうした特性も、流通や商品規格化を難しくしている要因の一つです。

メガニ
メガニ

地域限定のプレミア感があるマンゴーですね

思い出と愛着

2つ目にして最大の理由は、感情的な価値です。

ゴアで生まれ育った人々にとって、マンクラッドは単なる果物ではなく、大切な夏の風物詩です。

子供時代に汗をかきながら家族と頬張ったマンクラッド。その芳醇な甘さと程よい酸味は子供心に深く刻まれ、「このマンゴーは特別だ」という記憶として、大人になっても色褪せることがない……

マンクラッドは、そんなノスタルジックで感情的な価値を持っているのです。

こうした背景から、マンクラッドは特別なマンゴーとしてゴアの人々に愛され続けています。

メガニ
メガニ

日本でも同じように、懐かしい夏の風物詩ってありますよね。
私にとっては、スイカや桃がまさにそれです。
キンキンに冷やしたやつらにかぶりついていました。

マンクラッドの買い方

ゴアを含むインドのマンゴーシーズンは、主に4月〜7月頃ですが、マンクラッドはかなり早く市場に登場するのが特徴です。

1月下旬〜2月上旬:初物の登場(超・高級品)

ゴア南部のマルガオ(Margao)や首都パナジ(Panaji)のマーケットにて。この時期の初物は非常に希少なため、1ダース(12個)あたり5,000〜7,000ルピー(約1万円〜1万3,000円)、マンゴー1個あたりに換算すると約500〜650ルピーという超高値がつきます。

2月後半になると徐々に流通量が増え始め、価格が少しずつ落ち着き始めます。この時期になると、そこらへんの野菜屋さん/フルーツ屋さんでも買えます。

5月のシーズンピークを迎えたマンクラードの価格は、だいたい1ダース(12個)あたり300ルピー〜600ルピー(日本円で約600円〜1,100円)まで値下がりします。

メガニ
メガニ

このブログを書いた5月も下旬に差し掛かるころ、地元のフルーツ屋さんで買ったマンクラッドは、半ダース(6個)で300ルピーでした

店やマンゴーの種類によって、1kg単位で売られているか、あるいはダース(12個)単位なのかは異なります。ただ、「そんなに食べないよ」という場合でも、交渉次第で1個から快くバラ売りしてもらえるのがゴア(多分インド全体)のローカル市場の温かいところです。

選び方は、「どれを選んで良いのかわからない」と思ったら、気軽に「選び方を教えて」と伝えれば選んでくれます。

個人的な経験から言うと、メインマーケットやマンゴーの専門店にはしっかりとした目利きができるプロが多い印象です。

ローカルな野菜屋さんやフルーツ屋さんの目利きはまずまずといったところ。彼らは特にマンゴーのプロフェッショナルというわけではありませんから。

最終的には自分の「勘」を信じて選ぶしかないですね (´>؂∂`)

まとめ

ゴアでしか味わえない、ゴア最愛の品種マンクラッド。

ゴアの人々にとってこのマンゴーは、単なる美味しい果物ではなく、季節や家族の記憶と結びついた、胸アツ★マンゴーなのです ٩( ᐖ )۶

2月〜5月にゴアを訪れるなら、ぜひ旬のマンクラッドをお試しください 。

※本記事は、現地メディア『Times of India』『O Heraldo』の報道、wikipediaを参考にしています。

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