南ゴア、コルバ。
年に一度、この村の教会に大行列ができます。
「ファマ」と呼ばれるキリスト教(カトリック)の行事です。
2026年は10月12日開催。この日、実際に行ってきました。
本記事では、当日の様子とファマの背景を紹介します。
ファマとは:Fama de Menino Jesus

Famaは、Menino Jesus(幼子イエス)の聖像への信仰を中心にした、キリスト教(カトリック)の行事です。
そして、聖像が安置場所から降ろされる日でもあります。
本祭でもNovenaでもなく、ノベナの始まりを告げる日です。
コルバ教会(正式名称:Our Lady of Merces Church)では、ファマの翌日から、毎日ミサが行われます。
その最後に来るのが、本祭(祝祭日)で、ファマから数えてちょうど10日後です。
宗教の違う人も含めて多くの人が訪れる、地域で最も重要な宗教行事のひとつであり、地元紙によると、ファマは本祭よりも有名だといわれています。
教会の前の通りでは、縁日も開かれます。
日付のルール

ファマは例年、「10月12日以降の最初の月曜日」に行われます。
つまり、10月12日〜18日のどれかの月曜日です。
実際の日付を並べると、こうなります。
*第2月曜日が12日より前なら、第3月曜日
| 年 | 開催日 |
| 2022年 | 10月17日(月) |
| 2023年 | 10月16日(月) |
| 2024年 | 10月14日(月) |
| 2025年 | 10月13日(月) |
| 2026年 | 10月12日(月) |
すべて、10月12日〜18日の範囲に入っています。
本祭(祝祭日)は、ファマの10日後です。
2025年は10月13日→10月23日、
2026年は10月12日→10月22日でした。
ファマに合わせて、本祭も動きます。
当日の様子

教会までの道
会場は、コルバ村(Colva)にある、Our Lady of Merces Church(通称:コルバ教会)です。
教会前の道は歩行者天国となるため、車やバイクは周辺の空きスペースに停めて、教会まで歩きます。

教会の外ではミサと並行して縁日も開かれ、さまざまな屋台が並びます
朝の混雑具合
当日、私と夫は朝と夕方の2回、ファマへ行きました。
早朝から教会とその周辺にいる人は、荘厳ミサ(High Mass)に参加する人か、歩行者天国に並ぶ縁日の準備をする人です。
そのため、教会周辺の駐車スペースには余裕があるように感じました。
私たちが教会へ向かった朝6時ごろ、教会から徒歩数分の距離に車を停めることができました。(下図参照)
夕方の混雑具合
しかし、日が進むにつれて駐車スペースがなくなっていきます。
2輪者はまだスペースが見つけやすいと思いますが、車は難しいです。
ファマへ向かおうとした夕方6時ころは、教会まで歩いて15分の場所に駐車せざるをえませんでした。(下図参照)
朝のミサとプロセッション

【教会の外の様子】
まだ薄暗く村全体が静まり返るなか、正装に身を包んだ信者であふれる教会と、静かに響くミサ。
ゴアのカトリック信者にとって、ファマは特別な日。
厳かな雰囲気の中、敬虔にミサに与る人たち。伝統行事の空気が、そこにありました。
午前5:30〜荘厳ミサ

教会の公式ページから、当日の様子がLive映像で見られます
荘厳ミサ(High Mass)が始まります。
ミサは現地語であるコンカニ語(Konkani)で執り行われます。
6時ごろ現場に着いた私たちは教会の中には入らず、外でミサの様子を見ていました。
「入らず」というか「入れなかった」です。教会の敷地内は信者の方であふれていたし、私たちは信者ではないので、少し離れたところにいました。
建物(教会)の入り口の前に突き出たスペースに、ライブ映像が見られるスクリーンがあるので、それで中の様子も見ることができます (*´༥`*)
幼子イエス像のご降臨
ミサの終盤、聖像が安置されている壁龕(壁のくぼみ)の扉が開けられ、奇跡を起こすと信じられている「Menino Jesus(幼子イエス)」の聖像がゆっくりと降ろされます。
聖像は主祭壇へと安置され、ミサの中で祝福を受けます。
この時、教会の鐘が鳴るのですが、音が大きくてびっくりしました Σ( ˙꒳˙ )
でも、心地の良い響きでした。異文化感・満載 ( *ᐛ )/
午前6:30〜行列と祝福
祝福を受けた聖像のProcession(行列)が始まります。
聖像は教会の周りを半周して、教会前の広場に運ばれます。
早朝に教会へ行ったのは、このプロセッションが目的でした。

聖像の出待ちです ( ゚∀゚)
朝6:30ごろにプロセッションが見られると地元の友達から聞いていましたが、今回は朝7時ごろでした。
一般拝観

プロセッションのあと、聖像は再び教会内に安置され、一般信者への公開(拝観)が始まります。
地域や宗教の違う人も、参拝に訪れます。
参拝者は祝福を求めて、聖像に口づけをしたり、御足に触れたりします。
額を差し出すと、聖像の足を額につけてくれます。

口づけは、現地では umanyと呼ばれます
聖像は夜遅くまで拝むことができます。
私たちは、プロセッションを見たあと、いったん帰宅しました。
すでに拝観待ちの行列ができていたので、出直すことにしました。
幼子イエス像とのご対面

夕方、もう一度教会へ向かいました。
歩行者天国の途中にある分岐点から、拝観用の行列に並びます。
並び始めたのは、夕方6時半。
私たちは50分ほどで教会の中に入れましたが、外に出てきた7時半ごろには、分岐点よりかなり手前まで、列が延びていました。

外はかなり蒸し暑いです (。⌓°꒷꒦⎞
夕方5時以降は蚊が大量に発生するので、虫除け対策をしっかりしてください
黙々と行列に並び続け、ついに教会内へ ٩(ˊᗜˋ*)و
柵越しにシスターが聖像を持っているので、口づけしたり触ったり、自分の好きなように祝福を受けることができます。
私は聖像の足に触れましたヽ(৹ ˙꒳˙ )ㅅ( ˙꒳˙ ৹)ノ
キョドっていた夫は、なぜか額に御足をつけてもらっていました。

聖像に口づけをしている方が多かったです

あんなに待ったのに、ご対面の時間はほんの数十秒…(´・-・`)
あっという間の流れ作業 ( ゚∀゚)w
次から次へと参拝者が訪れるので、ゆっくり立ち止まる余裕はありません。
一瞬でも、幼子イエス像に触れることができて本望です (*´˘`*)
メニノ・ジーザス像の歴史と伝承

信仰は17世紀、イエズス会のベント・フェレイラ神父(Fr Bento Ferreira)と結びついています。1648年に教区司祭を務めた人物です。
伝承では、神父は船旅の途中で難破し、海に関わる出来事のなかで幼子イエスの像と出会ったとされます。
その像は、のちに教会の主祭壇に安置されました。
教区が正式に設立されたのは1635年。
1630年に礼拝堂として始まり、像は最初、神父の住まいに置かれていました。
1630年の始まりから数えると、コルバ教会は約400年の歴史です。
元の像は、18世紀に、当時イエズス会が運営していた神学校に移されました。
コルバの村人が複製をつくり、元の像から落ちたと信じられている、金の台座にダイヤモンドをはめた指輪が、複製に付けられたそうです。

現在コルバ教会にあるのは、この複製です
聖像への深い敬意と願い
聖像の参拝には、結婚、子供、癒やし、健康、繁栄などを願う人が訪れます。
具体的な奇跡の内容は、確認できた資料には書かれていませんでした。
あくまで「奇跡の力があると信じられている」という、信仰としての話です。
訪れる前のメモ

ドレスコード
ファマは観光客向けのイベントではなく、古くから大切にされてきた宗教行事です。
そのことを理解し、敬意を払う人なら、誰でも歓迎されます。

服装は控えめに、肩と膝が隠れるものを選びましょう
荘厳ミサに集まる人は、準礼装(セミフォーマル)が多かったです。
男性はスーツ、女性はロングドレスや膝下丈のワンピースを着ている人が多い印象でした。
シャツにスラックスなどのスマートカジュアルの人も、少なからず見かけました。
祝祭の日なので、私たちは白シャツとジーンズで行きました。
教会の中へ入らず、縁日(通りを歩く)だけという場合はカジュアルな格好でも大丈夫です。
教会での撮影マナー
教会内部では慎重に行動し、祈りを捧げている人を本人の許可なく撮影することは避けてください。
その他
– コルバ周辺では、早朝から交通規制や渋滞で混雑します
– 教会に駐車場はありません
– 教会前の1本道は、歩行者天国になります
– 車やバイクは、周辺の空きスペースに停めましょう
– 日程は毎年変わります。「Fama Colva 2026」などで検索すると、事前に確認できます
– 入場料:無料
– ろうそくや花を買ったり、献金をしたりするため、小額紙幣や小銭を用意しておくと安心です
2026年のスケジュール(参考)
| 段階 | 日程 | 行事の内容と意味合い |
| ① FAMA(開幕日) | 10月12日(月) 朝5:30に荘厳ミサ(High Mass)。 通常ミサは8時〜12時と15時〜19時に毎正時 | 本祭に向けた「公式布告」の日。幼子イエスの聖像がこの日だけ御開帳され、一般参拝が行われる。 |
| ② ノベナ(祈祷期間) | 10月13日〜21日 毎日、朝6時・7時・8時と夕方5:30にミサ | 本祭に向けて9日間、毎日準備の祈祷(ミサ)が捧げられる期間。 |
| ③ 本祭(Feast Day) | 10月22日(木) 6時、7:30、9時(9時が主要ミサ) | 一連の祝祭の最終日であり「締めくくり(本祭)」。 行列(プロセッション)が行われる。 |
*参照:教会の公式ページ、O Heraldo(2026年10月12日付)
おわりに
伝統行事に参加することで、ゴアの人が大切にしてきたもの、それが姿が見えないものだとしても、現場の雰囲気から、地域の団結や深い信仰心といった伝わるものがあります。
幼子イエスの聖像を見るために、汗まみれになり、蚊にさされながらも長蛇の列に並び、やっとご対面でき、さらには触れることができた時の感動は言葉にしきれないものがあります。
10月にゴアへ訪れる際は、ファマへの参加も検討されてみてはいかがでしょうか (*´༥`*)?
ゴアの人も、日本人のみなさんに、自分たちの文化を知ってもらうことを嬉しく思っているようです。
ファマのリールを作ったのですが、「ありがとう」というコメントをたくさんいただきました (∩´∀∩)
参考文献
– Our Lady Of Merces Church Colva 公式ページ「Fama de Menino Jesus」
– O Heraldo「Colva Fama on October 12 marks start of novenas to Miraculous Infant Jesus」
– The Goan「Statue of Infant Jesus: A journey from Mozambique to Goa」
– The Goan「Fama of Menino Jesus at Colva on Oct 17」
– O Heraldo「The Infant that attracts thousands to Colva」
– O Heraldo「The Miraculous Menino Jesus Feast in Colva: A Time-Honored Tradition」
– O Heraldo「Fama of Menino Jesus to be celebrated in Colva」
– Gomantak Times「The traditional celebration of Fama de Menino Jesus at Colva」
– Gomantak Times「Feast of Menino Jesus, at Colva, draws huge crowds」
José Venâncio Machado『The Fama of Menino Jesus of Colvá, Goa: Faith and Festivity across History』


